キャンプは楽しいけれど夜眠れないのが辛い……と思ったことはありませんか?

ファミリーキャンプを始めたばかりの頃、私は妻からよく言われました
もちろん慣れないアウトドアとシュラフの寝心地もありますが、何より問題になるのは寒さだと思います。
そこで今回は、寒さを感じずに心地よく寝られるシュラフの選び方について、以下のことを説明していきます。
- シュラフの規格で選ぶ
- 内外の規格について
- シュラフの素材で選ぶ
では、詳しくお伝えしますね。
シュラフの温度規格

シュラフには内部で感じる暖かさの基準があります。
それは「コンフォート温度」、「リミット温度」、「エキストリーム温度」の3つです。
その温度を第3者機関によって公平に検査をされている規格は「ヨーロピアン・ノーム」、または「ヨーロピアンスタンダード」と呼ばれています。
温度の規格の説明は下の表に書いておきますね。
コンフォート温度 (快適温度) | 一般的な成人女性が寒さを感じず快適に寝ることができる温度 |
リミット温度 (限界温度) | 一般的な成人男性が寝袋の入り口を閉めて丸くなって寒さを感じず8時間寝られる温度 |
エキストリーム温度 (極限温度) | 一般的な成人女性が寝袋の入口を閉めて膝を抱えて丸くなって6時間まで耐えられる温度 |
ご覧の通り、コンフォート温度とはつまり快適に寝ることができる温度を言います。
一般的に女性は男性よりも寒さを感じやすいので、コンフォート温度は約5℃程度高く使用温度を算出しているそうです。
男女差だけではなく人によって寒さを感じる体感温度は違いますが、通常女性はコンフォート温度、男性はリミット温度を基準としてシュラフを選ぶことが多いようですね。
なので、シュラフ選びのポイントの一つとして、このヨーロピアン・ノームを目安に選ぶ方法があります。
しかし、実はこのヨーロピアン・ノームは名前通りヨーロッパでの規格なのです。

では日本の規格はどうなってるのか?次の項で説明しますね
日本でのシュラフ規格

温度規格があるならそれを基準に選べばいいのですが、実際にはそう簡単にいきません。

私も購入時は色々悩んだものです
大きな理由として、ヨーロピアン・ノームは日本の規格ではないため、日本製品は必ずしもその規格を使用していないということがあります。
ではヨーロピアン・ノームを採用しているメーカーはどこでしょうか?
ヨーロピアン・ノーム採用のメーカー
日本でヨーロピアン・ノームを採用している主なメーカーは「NANGA」「mont-bell」「ISUKA」です。
ISUKAは独自の快適温度も設定していますね。
キャンプ用品に詳しい方はお気づきでしょうが、どこもなかなかにお値段が張るメーカーなのです。
確かに価格に見合った良い商品を扱っているのですが、家族分購入しなければならないわが家では手を出せませんでした。
しかし、冬キャンプもやるから対応できる装備をそろえたいという人は、他の装備の値段を抑えてもヨーロピアン・ノーム規格に準じたシュラフを購入する価値はあると思います。

次は妻も納得した安価なシュラフについてお伝えしますね
独自規格のメーカー
日本の安価なシュラフを発売しているメーカーは、ほぼ独自の規格で温度を設定しています。
しかし統一規格がないのでそれがどのような状況で計測された温度なのかわからず、本当にコンフォート温度に対応できているか信頼性は不明です。
コンフォート温度を見て選んだのに、実際は寒くて寝られない!と言うケースも起こりがちです。
私が実行した安価なシュラフ選びの方法を書き出しておきます。
- そのメーカーのシュラフを使用した人のレビューをチェックする
- 実際に使用している人の映像を探してチェックする
- 使用する時期のキャンプ場の最低気温を確認し、そこから‐10℃~‐15℃のコンフォート温度のシュラフを選ぶ
- 基準が明記されてないものは選ばない
よほど悪評がない限り、安価なシュラフでも装備の工夫で暖かく眠ることができるので、上記を購入時の参考にしてください。
しかし、冬キャンプをする人は安全を考えて、有名メーカーの上位モデルにすることをお勧めします!
安眠できるシュラフの素材

暖かく眠れるシュラフの条件は、保温力とフィット感です。
体にフィットするシュラフを選ぶのは当然ですが、注意が必要なのは素材です。
シュラフに使われる中綿はダウンと化繊があるので、それぞれの特徴をまとめます。
チェック項目 | ダウン | 化繊 |
---|---|---|
保温性 | 高い | ダウンより低い |
重さ | 軽量 | ダウンより重い |
耐久性 | 形が崩れにくく長持ち | 形が崩れやすく長持ちしない |
洗濯 | 専門店でのクリーニングが必要 | 自宅で洗濯可能 |
価格 | 高価格 | 低価格 |
それぞれ一長一短があり、実質的に問題になるのは価格でしょう。
でも、しつこいですが冬キャンプに挑戦したい人はダウン一択推奨です。
ダウンシュラフと同等の暖かさを化繊に求めた場合、布団と同じくらいの中綿が必要だとの情報もあるのです。
それなら布団を積んだ方が早いってことになりますが、当然荷物として非常に嵩張ります。
快適に寝られる保温性はもちろん、嵩張らないダウンの方が何かと装備が多くなる冬キャンプに適していると思います。
シュラフ選びの注意点

最後に、シュラフを選ぶときに注意した方が良いことを書き出しておきます。
コンフォート温度と素材を意識して購入しても、意外な落とし穴があったりするのです。

初心者の頃は結構痛い目に遭いました
体感温度の違い
ヨーロピアン・ノームの規格を説明しながら男女の体感温度の違いに言及しました。
この体感温度、男女差だけではなく実は国の差もあるのです。
ヨーロピアン・ノームの規格を作ったヨーロッパの人たちは、日本人よりざっと約1度近く体温が高いと言われています。
日本人の平熱は大体36度ちょっとですが、EUの人たちは37度くらいだそうです。
つまり「コンフォート温度‐5℃」となっていても、体温の低い日本人にとっては‐5℃の環境下で快適に眠れない可能性があります。
ヨーロピアン・ノームで設定されたコンフォート温度は日本人にとって誤差があることを弁えておきましょう。
安価なシュラフの補助
ヨーロピアン・ノーム規格の上位商品ではなく、化繊の安価なシュラフを購入した時は補助的装備が必要です。
レビューなどを吟味して購入し、ふかふかで暖かそうだし大丈夫だろうと思っても、実際に使用すると寒くて眠れないことはよくあります。

はい、私も経験者です
その危険を回避するために、以下のような補助的な準備をお勧めします。
- 封筒型のシュラフと重ねて使う
- コットや冬用マットを用意する
- 毛布、ホッカイロや湯たんぽを使う
- 厚着して寝る
わが家は冬キャンプはしませんが、冷え込む春キャンプにはシュラフを二重にしてしのいでいます。
電気毛布、ホッカイロ、湯たんぽなどは寒さ対策としてとても有効ですが、低温火傷の危険があるので使用時には注意してくださいね。
それから手足が冷えやすい女性は男性よりもワンランク暖かいシュラフにした方が安心です。
自分に合ったシュラフ選びのまとめ
これまで自分に合ったシュラフの選び方について説明してきました。
要点をまとめてみます。
- シュラフを選ぶにはヨーロピアン・ノームという温度規格を参考にできる
- 日本独自の温度規格シュラフはレビューなどを吟味する
- 冬キャンプはダウンシュラフがお勧め
- 化繊シュラフは補助装備で寒さをしのぐ
キャンプで一日を楽しく過ごしても、がたがた震えて朝まで眠れないようでは台無しになってしまいます。
そんな事態にならないように、自分に最適なシュラフを選ぶ参考にしていただければ嬉しいです。